原始美術 -primitive art-

洞窟壁画に代表される、素朴ながらも力強さにあふれた表現

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原始美術

BC4000年~BC2000年頃の、旧石器時代後期人と作品のあり方を、憶測と偏見を交えてお話しします。
この頃の時代を代表する作品は、「洞窟壁画」でしょう。洞窟絵画は、南フランスから北スペインにかけて、約3万年前~約2万5千年前の遺跡からいくつか発見されています。特徴としては、結晶化した石灰を地に、赤い輪郭線でその特徴が確実に表現されています。
この時代の洞窟絵画が頂点に達するのは約2万年前~約1万年前です。その初期には輪郭線中心の単純な表現が主です。ただ、中期になりますと、動物の毛の色に応じた色の使い分けにより、表現力豊かな絵が登場するようになります。ラスコー洞窟に描かれたビソン(野牛)は、狩の様子が豊かに表現されています。
ラスコーの洞窟壁画は発見当初、狩猟の成功を祈願して描かれたと思われていましたが、牛や馬、鹿などの動物は制作当時には狩猟の対象ではなかったそうですから、壁画は当時の人々にとって、心のよりどころであり、一種の記念碑的なもの、あるいは、娯楽的なものであったという説が有力視されています。子供がよく(?)少なくとも私はそうでしたが、広告のチラシや自由帳に落書きするのと同じで、「描きたい」という衝動に忠実に壁面に輪郭をなぞり、何もなかった「無」の空間に「有」が生まれた瞬間にある一種、創造者としての快感を感じたのではないでしょうか、そして、それを見て「面白い」と感じた原始人たちは競って絵を描き始めたのではないでしょうか、あくまでも憶測ですが、そこに絵画の原点と言うものを感じずにはいられません。
描くことに対する、最も純粋で、シンプルな美しさを感じる、そんな時代ではなかったのではないでしょうか。

ショーヴェ洞窟壁画

豹 ハイエナ現在、知られるものの中では最古と思われる約3万2000年前の洞窟壁画です。
1994年12月18日に3人の洞穴学者 Jean-Marie Chauvet, Christian Hillaire, Eliette Brunel-Deschamps によって発見さて以来、洞窟壁画の開始時期を大幅に遡らせました。ショーベ洞窟は発見者の Chauvet にちなんで名づけられたそうです。
壁画は年代を特定するのが難しいらしく、絵の年代については論争となっており、これまで見つかった洞窟壁画(1万5000年前のラスコー洞窟など)よりも相当古いものとして発表されたために、宣伝目的で、絵の描かれた年代が誇張されたのではないだろうかと考える人たちもいるようです。
ショーヴェ洞窟壁画からは多くの絵が見つかっており、分かっているだけで260の動物画があり、その総数は300個を超えるとみられています。描かれている動物は13種類あり、その中にはフクロウやハイエナや豹など、これまでの氷河時代の壁画には見られない (あるいは、ごくわずかしか描かれていない)動物も含まれています。
これらの絵は、スタンプあるいは吹き墨(stamps or oral spray painting) の技法を使って描かれているそうです。

ラスコー壁画

鹿 牛 馬 牛

人 バイソン

ラスコー洞窟(-どうくつ/Lascaux)は、フランスの西南部ドルドーニュ県、ヴェゼール渓谷のモンティニャック村の近郊に位置する洞窟です。先史時代(オーリニャック文化)の洞窟壁画で有名だそうです。
ラスコー洞窟の壁画は、アルタミラ洞窟壁画と並ぶ先史時代(フランコ・カンタブリア美術)の美術作品である。これは1940年9月、ラスコー洞窟近くで遊んでいた近くの村の子供たちによって偶然発見されそうです。
地下に長く伸びる洞窟は枝分かれし、壁画が集中している大空間などがいくつかあるそうです。洞窟の側面と天井面(つまり洞窟の上半部一帯)には、数百の馬・山羊・羊・野牛・鹿・かもしか・人間・幾何学模様の彩画、刻線画、顔料を吹き付けて刻印した人間の手形が500点もあるみたいです。
これらは15,000年前の旧石器時代後期のクロマニョン人によって描かれていたようです。
材料として、赤土・木の炭を獣脂・血・樹液で溶かして混ぜ、黒・赤・黄・茶・褐色の顔料を作っていたといいます。顔料はくぼんだ石等に貯蔵して、こけ、動物の毛、木の枝をブラシがわりに、または指を使いながら壁画を塗って描いたと考えられています。
この壁画には、古い絵の上に新しい絵が重ねて描いてあり、絵画作品として意識してではなく、子供が欲求を絵を描く欲求を満たすがごとく描いていたのではないかと思われます。
無数の壁画がある内の1つ、黒い牛の絵の角に遠近法が用いられている。手前の角が長く描かれ、奥の角は手前の角より短く描かれている。そのほかの人・動物にも、遠近法が用いられています。

アルタミラ洞窟壁画

記号 牛 動物の群れ

牛 馬

アルタミラ洞窟壁画は、先史ヨーロッパ時代の区分で主にマドレーヌ期(約18,000年 - 10,000年前)と呼ばれる旧石器時代末期に描かれた野牛、イノシシ、馬、トナカイなどの動物を中心とする壁画です。ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。
壁画は、ソリュトレ期に属する約18,500年前頃のものと、マドレーヌ期前期頃の約16,500年前~14,000年前頃のものが含まれます。約13,000年前に落石によって洞窟の入り口が閉ざされたと考えられ、これにより幸運にも壁画を封印、もとい、「安全に保存する」形となったのです。
そして、これらの壁画は1879年にこの地の領主ソウトウラ(Marcelino Sanz de Sautuola)の5歳の娘マリアによって偶然発見され(ラスコーと同じく子供が発見したようですね、洞窟壁画と子どもは縁があるのでしょうかね)、ソウトウラはこれらの絵が旧石器時代のものだと思い、1880年に発表したが、当時は旧石器時代の絵が知られておらず荒唐無稽な話と思われたために、学界からは否定されたようです。その後、20年ほどの間に、他の地でもいくつかの洞窟壁画の事例が発表されたようですが、これらの絵にも当初は否定的な見解がなされたようです。
1900年代に入ると旧石器時代の絵と認識されるようになり、各地でも洞窟壁画の発見が相次いで報告されるようになりました。

しかし、アルタミラ洞窟の中の絵は、痛みがひどくなっていますので、現在は残念ながら公開されていないそうです。

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